迷える羊 アラサー男の人生計画

29歳から始める人生設計

てるみくらぶ問題について知ってる内情を語ってみる。

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昨今の就活戦線はもっぱら売り手市場らしい。
まったくもって羨ましい。

 

僕が就活してた時はリーマン・ショック後、かつ東日本大震災
が起こり大氷河期に突入していた。

 

書類審査も通らなく、就活開始早々心が折れかけた時に
面接の案内がきたのが「てるみくらぶ」だ。

 

しかし僕は「てるみくらぶ」の面接を受けなかった。
説明会に行った際の悪い印象が強すぎたからだ。

 

説明会にきてる社員の格好。

 

どっかのホストですか?って感じのスーツとこんがり焼けた肌、
社会人にあるまじき明るい茶髪でガム噛みながら進行するお兄さん。

明らかにやつれ顔で面倒くさそうにしているお姉さん。

 

あそこにいた純真無垢な就活生たちは皆きっと思っただろう、

 

ここはヤバイ、と。

 

*******

 

3/24(金)に「てるみくらぶ」が発券システムのトラブルで航空券が発券できずに
混乱が起きているとニュースがでた。

 

てるみくらぶ、ツアー催行を当日に中止 事業停止へ
http://www.traicy.com/20170324-telme

 

てるみくらぶ、BSPの債務不履行か、顧客に混乱広がる
http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=77004

 

発券システムのトラブルというと、システム上の不具合か?と一般の
方は思うかもしれないが、発券するシステムは特定の旅行会社独自の
システムではなく、国際規格の端末を使って行われる。
つまり本当に発券システムのトラブルなら、大手や中小の会社に関わらず、
全ての旅行会社に影響が出る。

 

今回の発券トラブルは、2つ目に記事にも出ているが、BSPの債務不履行が正しいだろう。

 

そもそもBSPとは「Billing and Settlement Plan」の略で、航空会社と旅行会社の間での
航空券の精算方法のことだ。IATA(国際航空運送協会)加盟の旅行会社は毎月IATAへ支払いを行わなくてはいけない。

 

つまり簡単に言うと、てるみくらぶは航空会社へ支払いをすることができなかったのだ。しかし、BSPの債務不履行は問題であるが、それだけでは倒産や事業停止などにはすぐに結びつかない。しっかりと支払いをすれば発券機能も回復する。

BSPの支払い期日が23日(木)だったので、そこで支払い漏れであるなら翌日に対処できたはずだ。

 

しかし、今回のBSPの債務不履行は支払い能力が無いゆえのデフォルトで間違いない。

 

以前より「てるみくらぶ」は新聞広告やネット上で、現金一括払い限定でツアーの販売をしていたが、これはIATAないし取引先への支払期限の前日で設定されていることが多かった。つまり顧客から一括で現金を振り金で貰い、支払いに回すという自転車操業だったのだ。

 

明らかに仕入れ値より数万円安いツアーを出しているのもその為だ。
業界内では、航空会社、ホテル、広告会社、どこがババを引くかと密かに言われていた。

 

ずっと経営は大丈夫かと言われ続けていた会社だが、1年くらい前から中核にいた
役員や社員などが相次いで辞めていっている。内情を一番知ってるポジションにいる人間がいなくなるというのはつまりそういうことだ。

 

ある筋からの情報だと、代表取締役の山田千賀子氏は現在音信不通となっているらしい。

 

残酷かもしれないが、支払いをしてしまった旅行代金は返ってこないだろう。
JATAに加盟しているので多少の保証金は出るかもしれないが、規模が大きいゆえに
一人あたりの額はほんの僅かなものになるはずだ。

 

てるみくらぶが行ったことは消費者への裏切りで許されることではない。
ただ、異常に安い価格設定などには、その裏に何かあると疑ってかからないといけないと改めて痛感させられる事件である。